今回のコラムは【洗ってから髪を切るメリットーーーシャンプーはサービスでは無い。その一手間がカットの仕上がりを変える】と言う記事になります。
こちらの記事は、主に女性向け(特に髪を結いたあとがついたまま切る方)、美意識が高い男性、髪を切りに行った際になるべく失敗したくない方向けの記事になります。
髪を切りに行った際に下記の様な経験はありませんか?
・お店で切った時は良い感じだったけど、洗ったら前髪が短くなってた。
・家で洗ったあと全然まとまらない(変になった、失敗された)
・なんかセットしにくい
・洗ったら軽くなり過ぎて傷んでるし広がってしまった。
・切り残しの毛があった
・左右で長さ、重さ(毛量)が違った
などの経験があった方には少しだけタメになる記事になると思います。
上記の様にサロンでの仕上がりと後日、洗った後の仕上がりの違いに戸惑った事があるお客様は一定数いるのでは無いでしょうか?
特に昨今、カット専門店をはじめ、低中価格サロンなどでは【カットのみ】の場合シャンプーブローはメニューに無い、もしくは任意でシャンプーブローを別料金で支払うお店が多くなってきました。
前提として、上記のような問題が起こるのは【技術者の技術・知識・経験不足】のケースももちろんあります。
ただ、例外として知らない間に【お客様自身の原因によるトラブル】のケースもあり、最悪の場合、【技術者側とお客様側の両方の責任】というケースもありえます。
理美容室でのシャンプーは世間的にはサービスやリラクゼーション的な位置にあります。
しかし、技術者側からいうと、カット前の下準備になります。
料理で例えるとお米を研ぐ、ジャガイモの目を処理する、魚の内臓を取り除くなどの必ずやった方がいい下処理で
別の例えで言えば歯を磨いてから歯科医院へ行くなどが近いです。
先ほどの料理の例で言えば、この下準備は正直しなくても食べられます。(歯磨きせずに歯医者に行ったら磨く事のなると思いますが)
ただなるべく下準備をする事でより料理は美味しく食べる事が出来る。
歯も事前に磨いてから行けば、スムーズに健診や治療が受けられる。
といった感じになります。
これをカットでいうと整髪料、帽子の跡、結いた後、編み込んだ後、ヘアオイル(洗い流さないトリートメント)、最後に洗ったのが数日前などの状態だと、お客様が持っている元々の髪の生え方、毛流れ、広がり、ボリューム感、痛み、髪質などが技術者側がきちんと目で診て手で触って把握し切れない状態でカットを進めていくことになります。
先ほどの歯の例えの続きで言うなれば、【お客様側も髪を切る準備をしてきた方が仕上がりが良い】という事になります。
勿論、「何でもいいからとりあえず切って」と言うのであれば切らせて頂きます。
ですが、それであれば当店では無く他の安いお店のやる気の無い、愛想の悪い理美容師の人にテキトーに切って貰えば良いかと思います。
(非常に申し訳ないのですが、媚売って不本意な仕事をして売上を立てるくらいなら、真面目に技術を提供して店を潰す方が良いです。当店カットのみの低価格店ですがその辺は真面目に真摯にやらせて頂いております)
※仕上がりに大きく影響が出る場合はこちらでも注意喚起させて頂いております。
(時折「整髪料やゴム跡がついていても、水スプレーで濡らしたら大丈夫でしょ?」と聞かれますが…お客様が大丈夫であれば大丈夫です。
ただお客様自身が「大丈夫、切って」という事で何人か切らせて頂きましたが、案の定仕上がりに大きく影響が出てしまうケースがほどんどです。
(私もプロなのでその辺の見誤りは基本的には無いです)
その後、ブローをして跡を取って再度チェックをして調整して出来る範囲できちんと仕上げさせて頂きましたが、今後この様なケースが増える場合、そのお客様に関しては別料金にて対応させて頂きます)
追記:2021年12/27より
ゴムあと有り+500円
女性の大幅なスタイルチェンジ+500円〜の対応にさせて頂きます。
(施術工程が増えるので時間が他のお客様より多く掛かる為、割増料金にて対応させて頂きます。
ただ多く支払ったから仕上がりが良いか?というと大して良くは無いです。
(※整髪料に関しても、今度余りに仕事に影響が出るお客様に関しましては別途追加料金にするかもしれません)
カット時間の大半が【切る前の下準備に時間が掛かる】だけで、むしろ【しっかりと良く切る為に使う時間】は減ってしまいます。
ここまで話すと難しく聞こえますが
単純に【洗いざらいの自然な状態】でご来店頂ければ良いだけです。
正直に言ってしまえば、直前に洗って濡れたまま来ていただけたら技術者としては非常に切っていきやすいです。
当店は低価格でも【ちゃんと切る、信頼・信用されるお店】としてきちんと施術させて頂きますので、仕上がりに影響が出る場合は一度、別途料金含めカットの前に説明させて頂きます。
ご理解とご協力宜しくお願い致します。
だからこそ、高い価格のお店ほどカットの前には必ずシャンプーをします。
言い方を変えれば、シャンプーの無いお店でも髪を洗ってさえ来ればかなりお得、
もしくは損をしない。という事です。
一度洗ってお客様の素の(自然な)髪の毛の状態を診る事によって生え方、癖、毛流れ、痛みなどだけで無く、今ある髪の毛から過去のカラー、パーマ、縮毛矯正、普段のメンテナンスなどの履歴もある程度読み取れます。
その為、シャンプーという工程を入れる事で、よりカットの仕上がりは良くなります。
おそらく多くの理美容師がカットする上で意識するのはお客様が「お風呂上がりにバーーーッと乾かして形(ヘアスタイル)が7〜8割出来上がる」のを理想として切っています(残りの2〜3割がブローとスタイリング)
それには前提として【お客様の髪の状態をきちんと見極める】というのが必須になります。
世間一般的にシャンプーはおまけの様な立ち位置になってはいますが、技術者側からするとカット前の洗髪は重要な立ち位置です。
さらに詳しく書くと整髪料の種類、結いていたのはゴムなのか?それ以外の物か?
硬い髪か?柔らかい髪か?毛量が多いか?少ないか?など様々な要素が重なってくるので気になる方は店舗で直接聞いて頂かればお答えさせて頂きます。
兎にも角にもシャンプーの無いカット専門店や低中価格帯のお店で最初に話した様な問題(トラブル)の経験のある方は一度洗って自然な状態(素の髪の毛)で切りに行くと言うのがオススメです。(洗ってから時間が経ってなければ無いほど良いです)
当店ご利用の場合でしたら「半乾き」の状態で来ていただいても結構です。
最後にこちらできちんと乾かして仕上げさせて頂きますのでご安心ください。
(実際この話を聞いて来店直前に洗って切りに来てくれているお客様も数名います。)
※最後に当店では整髪料やゴム跡がある状態でも極力問題(トラブル)が起きない様にそれらの状態も考慮した上でカットさせて頂きます。
ただ本当に危ない場合は一度お客様にご確認した上でカットさせて頂きます。